ミモザは女性への感謝を伝える花
「ミモザの日」というのをご存知だろうか?
イタリアでは、女性への感謝の気持ちを、
この春の花――ミモザに添えて贈る風習があるのだ。
多くの人に愛される花――ミモザが選ばれる理由
毎年3月8日にやってくる「Festa della Donna(女性の日)」。
贈られる花から別名「ミモザの日」とも呼ばれ、この日には街のいたるところで、ミモザの黄色い花が溢れる。
なぜミモザなのか?
実は当初、この「女性の日」に贈る花の候補には、ニオイスミレがあげられていた。
古くから誠実さを象徴する花として、愛されてきた花だったからだ。
しかしニオイスミレは希少で高価な花。
当時、気軽に誰もが手にできる花ではなかった。
裕福でなくては、感謝の気持ちすら贈れなくなる
そこで選ばれたのが、ミモザだ。
春にイタリアのあちこちで自生するこの花は、小さな子供ですら手にできる、もっとも身近で馴染みある花。
春になるたび、ほのかに甘いミモザの香りが、風に乗って街全体を包む。
それは、ふわりと優しく、懐かしい故郷の香り。
心を癒し、どこか温かさを残す、春の香り。
そこにあるのが当たり前になっている。
身近にあるからこそ気付きにくい、だけど欠かせない、かけがえのないもの。
彼らにとって、日頃の感謝を伝えるのに、これほどしっくりくる花は他になかったろう。
ミモザは女性から女性へも贈られる友情の花
女性への感謝を伝えるミモザの花は、なにも男性が女性へ贈るだけの花ではない。
イタリアでは女性同士でも贈られるという。
ミモザの花言葉には「真実の愛」の他に「友情」という意味もある。
毎日顔を合わせる、身近な誰か。
特別何をするでもない……けれど、必ずいつも隣へ居てくれる。
きっとあなたのそばにも、そんな人がいるはずだ。
日頃伝えていない気持ちがあるのなら、一度その気持ちをミモザに託し、小さなメッセージカードでも添えて、贈ってみてはどうだろう。
生花と違い、リースの形で贈れば場所も取らず、部屋にも長く飾っておける。
部屋へ入るたび、扉のリースに目がとまり、思い出してもらえる。
入り口はインテリアの要。
部屋にこだわるおしゃれな方にも、ミモザの手作りリースは気に入ってもらえるのではないだろうか。
それが手作りなら、なおのこと喜ばれるに違いない。
中には「不器用だから」と敬遠する方もいるかもしれないが、そんなあなたにもぜひ、これを機会に手作りへ挑戦してほしいと思う。
これを見れば、案外難しくはないと、感じてもらえるのではないか?仮にうまくできなくとも、構わないのだ。
「手作り」だということそのものに、意味があるのだから。
TEXT BY 村上 優
大学では心理学を専攻、現在フリーライターとして活動中。プライベートでは、海外の友人と交流しながら語学を勉強するかたわら、イラストを描いています。最近、小説を書き始めました。