可愛らしい5月の花ライラック 花言葉や飾り方は?
ライラックは、4月から6月にかけて咲く花木。ひとつひとつの花は小さく可愛らしいが、枝の先に密集して花をつけるのでゴージャスな見た目になる。花の可愛らしさだけでなく香りの良さも愛され、香水などにも利用されている花だ。
この記事では、ライラックについて解説する。花言葉や生け方、飾り方についても紹介しているので、贈り物や自宅に飾る花にぜひライラックを選択肢にいれてみてほしい。
ライラックとはどんな花?
ライラックは、4月から6月にかけて開花する落葉小高木。イングリッシュガーデンに良く合うことから、ガーデニング人気も高い。ヨーロッパ原産で夏の暑さには弱いが、品種を選べば暖かい地方でも栽培可能だ。
紫丁香花という和名の通り、ラベンダー色のような紫の花がメジャーだが、白やピンクなど約30種類ほどと、品種は意外に多い。代表的なものだと以下の品種がある。
- パープルグローリー
濃い紫の大ぶりな花をつける。樹高は2m〜4m。暑さに強く、香りが良い。
- エスタースターレ
ピンク色の円錐形の花をつける。つぼみのときは薄紫だが、開花するとピンク色に変化する。
- センセーション
全体的に紫色で、白色の縁をもつ花をつける。
- ティンカーベル
姫ライラックと呼ばれるライラックの一種。ピンク色の花をつける。小ぶりで、鉢植えでも育てられる。
ライラックは、札幌市のシンボルでもある。1960年、住民投票によって決定した。札幌市では毎年5月ごろ、さっぽろライラックまつりが開催されている。大通公園や川下公園で何百本ものライラックが咲き乱れ、初夏を訪れるイベントとして地元の人や観光客に親しまれている。5月に札幌を訪れる機会があれば、ぜひ参加してみてほしい。
ストレスをやわらげるライラックの香り
前述の通り、ライラックはとても良い香りのする花だ。香水の核として用いられる花は3大フローラルといい、ジャスミン、すずらん、バラの3つだ。そこにライラックを足して4大フローラルと呼ばれる場合もある。
ライラックの甘く優しい香りは、不安やストレスをやわらげ、リラックスできる効果があるとされている。
ただし、枝を切って成長が止まると香りが薄れてしまう。切花にするなら香りよりも見た目を楽しむほうが良いだろう。
ロマンチックなライラックの花言葉、言い伝え
ライラックは色ごとに花言葉が変わる。
- 紫のライラックの花言葉
初恋、愛のめばえ
- ピンクのライラックの花言葉
思い出
- 白のライラックの花言葉
青春の喜び、無邪気
上述の通り、ライラックにはロマンチックな花言葉が多い。葉がハート型をしていることから、恋にまつわるロマンチックな花言葉が生まれたライラックは、カップルの贈り物にふさわしいだろう。ライラック全般の花言葉は「思い出」「友情」なので、友人への贈り物にも適している。
イギリスでは、紫のライラックは別れの意思表示に使われた歴史があり、不吉なイメージを持つ人もいる。イギリス人にライラックを贈る時は紫を避けるのが無難だろう。
ライラックの花弁は通常4枚だが、5枚や6枚花弁がついている花を見つけたら、誰にも言わずその花を飲み込むと、愛する人と結ばれるという言い伝えがある。
ライラックの生け方・飾り方
生花としてのライラックを選ぶ時は、茶色に変色した花が混じっていない、鮮度の良い枝を選ぼう。花全体が膨らんでいると、水が行き渡っている証拠だ。少し振ってみて、花が落ちてこないものを選ぶことをおすすめする。
ライラックを生ける前に、水揚げをしておくと花が長持ちする。水揚げの手順は以下の通り。
- 葉を間引きする
ライラックの枝に葉がたくさんついていると水が蒸散してしまうので、適度に取り除く。
- 根元割り、水揚げ
太い枝の場合は、枝の先を金槌などで叩いて割る。白い中綿が出ている場合は取り除く。割った部分を露出させるように新聞紙でくるみ、水を張ったバケツなどにつけて一晩置いて水を吸わせる。
細い枝なら、ハサミで十字に切り込みをいれる。カッターなどで先から数センチほど表皮をそいでおく。
水揚げをしたら、花瓶や器などにライラックを生ける。ライラック一種で生けるのもよいし、バラやラナンキュラスなど、多弁の花と合わせてもよい。カスミソウのような小さな花同士でまとめるとふんわりと可愛らしく仕上がる。葉物といっしょに生けて野の花のようにナチュラルな雰囲気に仕上げるのもおすすめだ。
ライラックを生けたら直射日光や風の当たらない場所に置き、2日に1度は水替えをしよう。水替えの際には茎を洗ってぬめりをとり、枝の先端をカットして再び根元割りをすると、水を吸いやすくなる。
涼しげなライラックを飾って初夏を迎えよう
小さな形の花が可愛らしくさわやかな印象のライラックは、ヨーロッパや北海道など冷涼な地域の花というイメージがある。飾っておくとそれだけで涼しげな気分を味わえる。夏間近の5月〜6月には、ライラックを飾って涼しげな雰囲気を楽しんでみてはいかがだろうか。