季節は夏から秋へ。秋をめいっぱい愉しむために知っておきたい、秋に咲く花 ー前編ー
夏が終わってちょっとセンチメンタルなあなたへ。
さようなら、夏。こんにちは、秋。
朝や夕方、窓を開けると心地よい風。
昼もじっとりした暑さからだんだんと解放され、猛暑の気配がおさまりつつある。
暑すぎて出かける気にならない中でなんとかプールだけは行ったなぁとか、かき氷何回食べたかなぁとか、台風でバーベキュー中止になっちゃったなぁとか、夏の出来事に思いを馳せながら空を見ると、そこには綺麗な夕焼け。
そして、どこからともなく甘い香りがしてきたら、季節はもう秋だ。
あたりに漂う甘い香りの正体は、そう。キンモクセイの香り。
ああ、いい香りだと思うと同時に、なんだかちょっと切なくなるのはなんでだろう。
秋の花にはきっと、センチメンタリズムを誘う何かしらの効果があるに違いない。
秋の花01:キンモクセイ(金木犀)
日本三大香木の一つ、キンモクセイ 。
直径1cmにも満たない可愛らしいオレンジ色の小花が一斉に咲くと、甘く芳しい香りがあたりに広がり、秋の訪れを教えてくれる。
大きめの枝をエントランスに飾ったり、ひと枝を枕元に飾ったりして香りを楽しむのもいいけど、今話題なのは『キンモクセイシロップ』。ご存知だろうか?
<キンモクセイシロップの作り方>
①キンモクセイの花・砂糖・桂花陳酒を、キンモクセイ:砂糖:桂花陳酒 = 1:2:2の量で用意。
②キンモクセイの花は枝から外し、きれいに洗っておく。花は咲き切ったものよりも咲きかけの方が香りが強いので、咲きかけの花を準備。
③シロップを作る。鍋に桂花陳酒と砂糖を入れ、中火程度で温めながら砂糖を溶かす。
④砂糖が完全に溶けたら、キンモクセイの花を入れる。香りが飛んでしまわないように、一煮立ちしたら火を止める。
⑤シロップが冷めたら、煮沸消毒済みの保存瓶へ移し、冷蔵庫へ。一週間で使い切るようにする。
簡単に手作りができるので、キンモクセイの香りが好きな人はぜひ、秋を味わってみてほしい。
秋の花02:ネリネ(ダイヤモンドリリー)
ネリネは、花弁がキラキラと光を反射する様子から、別名ダイヤモンドリリーとして知られる。
花持ちがいいことから、アレンジメントや切り花として人気。
ぜひお部屋に飾って、高貴で気高い雰囲気を味わって。
お気に入りのジャム瓶を使って飾ればカジュアルにも楽しめる。瓶は複数個用意して、統一感を持たせるのが◎。
秋の花03:ポットマム(スプレー菊、スプレーマム)
一本の茎にいくつも花がつき、華やかな印象のポットマム。花言葉が『高貴な愛』なのでブーケ用や切り花として人気。
濃いグリーンの葉っぱと合わせると、より一層花の色が引き立つ。器にもこだわってみて。
秋の花04:コスモス
『kosmos=美しい』というギリシャ語に由来する名前を持つ、コスモス。
ピンク色のイメージが強いが、白や紫、茶色のコスモスも存在し、秋の訪れを感じる代表的な花として広く親しまれている。
関東では東京都立川市の国営昭和記念公園、千葉県佐倉市の佐倉フラワーフェスタなどで一面に咲くコスモスが鑑賞できる。
秋の休日に家族や恋人とお出かけして、秋を満喫してみてはいかが?
茎の細いコスモスは本数を多めに切って、大きいベース(花瓶)に。ベースの中に入る部分の葉っぱは削ぎ落として、スッキリさせておくと良い。
秋の花05:シコンノボタン
シコンノボタンは1日花。朝咲いて翌日には散ってしまう。ベルベットのような質感で、鮮やかな紫色が美しい。蕾の状態から楽しもう。
泰山木(タイサンボク)の葉裏の綺麗な茶色を背景に、シコンノボタンの紫を引き立てるアレンジ。
ちょっと切ない秋の風景を切り取って、部屋の中へ取り入れればお部屋も一気に秋色に。
秋を彩る花はまだまだたくさん。
引き続き後半でも紹介していくのでお楽しみに。

TEXT BY MAI
二児の母。トマトを育ててます。