母の日や結婚式にゴージャスな芍薬を 生け方・飾り方も紹介
「立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
芍薬は英語名でピオニーといい、5月・6月ごろに満開になる花だ。幾重にも花弁をつけるゴージャスな見た目は、ブーケにぴったりの花であると同時に、一輪だけ飾っても場をぱっと明るくしてくれる。
プレゼントとして芍薬を贈るなら、5月の母の日や、6月のジューンブライドのブーケにおすすめだ。
この記事では、芍薬がプレゼントとしてぴったりである理由について解説する。
家に飾るときのポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてみてほしい。
芍薬とはどんな花?
芍薬はボタン科に属する花で、英名をPeony(ピオニー)という。アジアが原産で、中国の北部やシベリア、朝鮮半島に自生していた。薬用として利用されてきたが、日本では江戸時代から観賞用として親しまれてきた。
バラにも似た爽やかな香りがあり、香水としても人気が高い。
花と葉の特徴
芍薬の花は5枚から10枚ほどと多く、それが見た目の豪華さになっている。芍薬の品種は花の咲き方によって分けられる。
一重咲き:一重の花びらが雄しべを囲むシンプルな形。
半八重咲き:一重咲きより花弁の数が多い。
バラ咲き:内側の花弁と外側の花弁が同じ形で、バラのような花になる。
翁咲き:中央の雄しべが花弁化して長く伸び、一重の花びらで囲まれている。
葉はツヤがあり、ギザギザはなく丸みを帯びている。2回3出複葉といい、茎の両側に1つずつ出た枝の先がさらに3つ枝分かれし、それぞれに葉をつける。
牡丹との違い
芍薬と牡丹は同じボタン科ということもあり、花の形が似ていて混同されがちである。
芍薬と牡丹には4つ違いがある。ひとつずつ解説したい。
- 季節
牡丹は4月から5月中旬ごろに咲き、そのあとを追うようにして芍薬が5月から6月の間に咲く。 - 芍薬草、牡丹は樹木
芍薬は一つの茎に一つの花をつけるが、牡丹は幹から枝分かれし、それぞれに花をつける。
- 散り方
芍薬は花弁が少しずつ落ちて散るが、牡丹はいっせいに散る。
- 香り
芍薬はバラにも似た爽やかな香りがするが、牡丹には基本的に香りはない。
芍薬の花言葉
芍薬は見た目がゴージャスで香りが良いというだけでなく、花言葉からしても贈り物にぴったりの花だ。
その理由は花言葉にある。芍薬の花言葉は色によって異なる。
- ピンクの芍薬
恥じらい、はにかみ
- 白の芍薬
満ち足りた心、幸せな結婚
- 赤の芍薬
誠実、威厳、尊厳
- 紫の芍薬
怒り、憤怒
紫の芍薬は「怒り、憤怒」と、あまり贈り物には向かない花言葉だ。見た目はシックで美しいが、花言葉を気にするのであれば紫の芍薬は避けるのが無難だろう。
母の日に贈る芍薬
母の日の贈り物としてはカーネーションが定番だが、芍薬もおすすめしたい。ピンクの芍薬の花言葉には奥ゆかしさやつつましさ、赤の芍薬の花言葉には威厳、尊厳といった意味合いがある。母の日の贈り物にふさわしい。
花嫁のブーケとしての芍薬
芍薬は花嫁のブーケとしても人気だ。見た目が華やかでウェディングドレスに映えるだけでなく、結婚式会場の装飾としても使える。
花言葉も、ピンクが「恥じらい」、白が「幸せな結婚」、赤が「尊厳」と、結婚式にふさわしいものが多い。
芍薬のブーケは、一色に統一したり、さまざまな色の芍薬をミックスしたり、バラやアジサイなど季節の花と合わせたりと、デザインはさまざまだ。
5月・6月に結婚式を控えているなら、ぜひ花嫁のブーケや結婚式会場の装飾に、芍薬を取り入れてみてほしい。また、結婚するカップルが身近にいるなら、結婚祝いの贈り物に芍薬を使ったブーケを検討してはいかがだろうか。
芍薬の生け方・飾り方
さいごに、芍薬の生け方・飾り方を紹介したい。
芍薬は何本も束ねてゴージャスに生けるイメージがあるが、一輪だけ生けても充分見映えがする。贈り物としてだけでなく、日常にも取り入れやすい。
芍薬を長く楽しむための生け方
芍薬を購入する時は、つぼみがすこし緩んで咲きかけているものを選ぶと長く楽しめる。逆に、つぼみが固く閉じてしまっているものは、花が開かない可能性もあるので注意が必要だ。
芍薬を長く楽しむための生け方を解説する。
- 芍薬を生けるまえに、下半分くらいの葉を取り除く。茎の下の方の葉は大きく、水分が蒸散しやすいからだ。いっそすべて取り除いてもよいだろう。
- つぼみが蜜でベタベタしている場合は、濡れたふきんなどでやさしく拭き取る。
- 茎は水の中で斜めにカットする。
- 水をたっぷりと入れた花瓶に生ける。
- 花が蒸れやすいので、直射日光のあたらない涼しい場所に置く。風にもあまり当たらないよう注意する。
- 毎日水を替える。芍薬を花瓶に戻す前に都度水の中で茎をカットする。
芍薬のドライフラワー
芍薬を生花として楽しんだあとは、ドライフラワーにするのもおすすめだ。花が開ききっていないうちは乾きにくいが、満開に咲いたら散る前に水から引き上げ、そのまま乾燥させる。
乾燥の方法は2つある。1つめが花を吊るして自然乾燥させる「ハンギング法」だ。満開の芍薬の茎に輪ゴムを巻き、麻紐を使って10日ほど吊るす方法だ。
2つめが「シリカゲル法」。ドライフラワー用のシリカゲルで乾燥させる方法だ。芍薬の花部分だけを切り、タッパーに入れたシリカゲルの上に乗せる。花にやさしくシリカゲルの粉末をふりかけ、花弁と花弁の間にシリカゲルが入り込むようにする。花をすっぽりと覆うまでシリカゲルをふりかけたら、タッパーの蓋をして1週間ほど置く。
芍薬を茎ごと残してスワッグなどにしたい場合はハンギング法、飾り皿などに置いて楽しみたいならシリカゲル法がおすすめだ。
芍薬で日常を華やかに彩る
母の日や結婚式など、特別な日の花にふさわしい芍薬について紹介した。もちろん、贈り物としてだけでなく、家の中に飾って楽しむのもよいだろう。何本も花束にして生けてもよいし、一本だけでも充分に華やかさを演出できる。
これを機に、日常に芍薬の花を取り入れてみるのを検討してはいかがだろうか。