紫陽花の色の違い、どうして出るの?白が白い理由は?
紫陽花の色の違いの秘密が知りたい方へ。
紫陽花の魅力のひとつが、カラーバリエーションの豊富さである。
青や白、ピンクなど、色彩の種類が豊かで、色の濃い、淡いも幅広く、好みに合わせて花を選べるのがうれしい。
そんな紫陽花の色の違いは、何が理由なのだろうか?
■もくじ
1.紫陽花の色の違いは、土壌の酸性度によるもの
2.白は「寛容」青は「冷淡」…紫陽花は色によって花言葉が違う
3.土の性質を利用して、好みの色の紫陽花が作れる
4.まとめ
1.紫陽花の色の違いは、土壌の酸性度によるもの
紫陽花の色は、土の酸性度によって決まる。
おおまかに言うと、土が酸性だと青色、アルカリ性だとピンクの紫陽花が咲く。
これは、紫陽花の色素に「アルミニウムと結合すると青くなる」という性質があるため。
アルミニウムは、自然界では地殻や土壌の中に、多く含まれている元素だ。
アルミニウムは、酸性の土壌には溶けやすく、植物にも吸収されやすくなるが、
逆にアルカリ性だと溶けにくい。
つまり、土に溶けているアルミニウムの含有度が少ない=吸収されるアルミニウムの量も少ない
と、紫陽花は赤くなる、というわけだ。
学生時代のリトマス紙の実験から、酸性だと赤、アルカリ性だと青、というイメージが強いが、
紫陽花の花色に関しては、逆になるようだ。
また、ときどき地植えの紫陽花に、途中から色が変わる現象がみられるのは、
雨が続くことで、土壌の成分が流れ出したりして、酸性度やアルミニウムの量が変化することが原因である。
ちなみに、白い紫陽花は、もともと色素を持たない品種であるため、何色にも染まらない。
2.白は「寛容」青は「冷淡」…紫陽花は色によって花言葉が違う
紫陽花は色によって、花言葉に違いがある。
・ピンク~赤紫の紫陽花の花言葉 「元気な女性」
・青~青紫の紫陽花の花言葉 「辛抱強い愛」「冷淡」「無情」「高慢」
・白の紫陽花の花言葉 「寛容」
紫陽花の色がバリエーション豊かなのと同じくらい、
花言葉にも、前向きなものからネガティブなものまで、色別に様々な意味がある。
シチュエーションや人の好みに合わせて色を選べることから、紫陽花はプレゼントやインテリアにも人気が高い。
しかし、贈る相手によっては、花言葉から思わぬ誤解を受けないよう、説明が必要な場合もあるだろう。
3.土の性質を利用して、好みの色の紫陽花が作れる
土壌の性質を利用することで、自分好みの紫陽花の色に咲かせることができる。
紫陽花の色を決定づけるのは、土の中の酸性度や、それによるアルミニウムの量…
ということは、これらの量を調整することによって、咲かせたい色のコントロールが
ある程度可能になる、ということだ。
園芸用品を扱うお店では「赤い紫陽花用」「青い紫陽花用」それぞれの培養土が販売されており、
それぞれ、ちょうどよい酸性度やアルミニウム含有量に、すでに調整されている。
また、土以外に肥料にも、それぞれの花色に合わせたものが出回っており、
これらを使えば、手軽に好みの紫陽花に咲かせることができる。
■まとめ
・紫陽花の色の違いは、土壌の酸性度によるもの
・紫陽花は色によって花言葉が違う
・土の性質を利用して、好みの色の紫陽花が作れる
青い紫陽花、ピンクの紫陽花と、それぞれに美しい色彩が印象的な紫陽花、
その色の違いには、化学的な裏付けがある。
化学を利用し、紫陽花の色を育て分けるのも楽しみのひとつであるが、
自然が生んだ、偶然の色彩をじっくりと愛でるのもまた、季節の贅沢な味わい方である。
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