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秋の七草とは|万葉集から続く日本の草花と、暮らしへの取り入れ方
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2026.09.24
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秋の七草とは|万葉集から続く日本の草花と、暮らしへの取り入れ方

萩・すすき・葛・撫子・女郎花・藤袴・桔梗。秋の七草の覚え方と一つひとつの特徴、万葉集に始まる由来、そして飾って楽しむための取り入れ方を紹介します。

春の七草は、七草粥にして食べる。では秋の七草は、と聞かれて七つすべて答えられる人は多くない。

秋の七草は、食べるためのものではない。野に咲く姿を眺めて、季節の移ろいを味わうための草花だ。その起源は千三百年前、万葉集にまでさかのぼる。

この記事では、秋の七草それぞれの特徴と覚え方、そして暮らしのなかへの取り入れ方を紹介する。

■もくじ

  1. 秋の七草の由来 ─ 万葉集の一首から
  2. 覚え方 ─ 「おすきなふくは」
  3. 七草それぞれの特徴と花言葉
  4. 春の七草との違い
  5. どこで見られるか ─ 東京近郊の場合
  6. 暮らしに取り入れる ─ 飾り方の提案
  7. まとめ

1. 秋の七草の由来 ─ 万葉集の一首から

秋の七草を定めたのは、奈良時代の歌人・山上憶良(やまのうえのおくら)だとされる。万葉集に収められた二首の歌が、その原点だ。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花」。野に咲く花を指を折って数えたら七種類あった、という素朴な歌である。続く一首で、萩・尾花・葛・撫子・女郎花・藤袴・朝顔の七つが挙げられている。

この「朝顔」は現在のアサガオではなく、桔梗(ききょう)を指すというのが通説だ。当時アサガオはまだ日本に伝わっていなかった。

2. 覚え方 ─ 「おすきなふくは」

七つを覚えるなら、頭文字をつないだ語呂合わせが早い。

おみなえし/すすき/ききょう/なでしこ/ふじばかま/くず/はぎ。「お好きな服は?」と覚える。

「ハスキーなおふくろ」(萩・すすき・桔梗・撫子・女郎花・藤袴・葛)という言い方もある。どちらか覚えやすいほうでよい。

3. 七草それぞれの特徴と花言葉

萩(ハギ)|花言葉「思案」「柔軟な精神」。枝がしなやかに垂れ、小さな紅紫の花をつける。秋の野の代表格で、お彼岸の「おはぎ」の語源でもある。

尾花(ススキ)|花言葉「活力」「心が通じる」。穂が動物の尾に似ることから尾花と呼ばれた。十五夜の月見飾りに欠かせない。

葛(クズ)|花言葉「芯の強さ」。つるを長く伸ばし、赤紫の房状の花をつける。根は葛粉や葛根湯の原料になる、暮らしに深く関わってきた植物だ。

撫子(ナデシコ)|花言葉「大胆」「純愛」。花びらの縁が細かく切れ込む繊細な姿。「大和撫子」の語源としても知られる。

女郎花(オミナエシ)|花言葉「美人」「はかない恋」。小さな黄色い花が霞のように集まって咲く。生けると独特の香りがある。

藤袴(フジバカマ)|花言葉「ためらい」「遅れ」。乾かすと桜餅のような芳香を放つ。現在は環境省の準絶滅危惧種に指定されており、野生のものを見る機会は少ない。

桔梗(キキョウ)|花言葉「永遠の愛」「誠実」。星形の青紫の花。つぼみが風船のようにふくらむことから、英名は Balloon flower という。

4. 春の七草との違い

春の七草は、正月明けに粥にして食べることで一年の無病息災を願う「実用」の草だ。セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。いずれも食べられる。

対して秋の七草は、眺めるための草花である。摘んで食べる習慣はなく、花瓶に生け、野に咲く姿を楽しむ。

食べる春と、愛でる秋。この対比そのものが、日本人の季節との付き合い方をよく表している。

5. どこで見られるか ─ 東京近郊の場合

都市部で七草すべてを一度に見るのは難しいが、植物園や日本庭園なら揃うことがある。

都内では向島百花園が秋の七草で知られ、9月には萩のトンネルが見頃を迎える。小石川植物園や神代植物公園でも、それぞれの花を季節ごとに見ることができる。

花屋で手に入るのは、ススキ、桔梗、撫子、女郎花あたり。9月中旬から10月にかけて、切り花として店頭に並ぶ。

6. 暮らしに取り入れる ─ 飾り方の提案

一種だけを生ける|七草すべてを揃える必要はない。ススキを数本、口の細い花器に挿すだけで部屋の空気が変わる。高さは花器の1.5〜2倍が目安。

取り合わせる|ススキ(ベージュ)+桔梗(青紫)+撫子(淡紅)の三種で、秋の野の色がひととおり揃う。色数は3色までに抑えると散らからない。

ドライにする|ススキと藤袴はドライフラワーに向く。ススキは穂が開ききる前に摘んで吊るすと、穂が飛び散りにくい。藤袴は乾かすことでかえって香りが立つ。(ドライフラワーの基本的な作り方はこちら)

月見と合わせる|十五夜にススキを飾るのは、稲穂に見立てて実りを願う風習から。団子と一緒に、窓辺に置いてみてほしい。

7. まとめ

秋の七草は、千三百年前の歌人が野を歩きながら指を折って数えた花だ。派手さはないが、季節が移ったことを静かに教えてくれる。

名前を知ると、道端の草が急に見えてくる。(夏の花についてはこちらの記事で紹介している)

その気づきを一輪、部屋に持ち帰ること。それが、暮らしに緑を増やすTOKYO 5% GREENの始まりだ。

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