Glanet collection|グラネットコレクション

ワーママ meets いけばな。
IT 2018.07.01

ワーママ meets いけばな。

1日が36時間あったら何をするだろう?仕事?子供?料理?いいえ。自分のために、新しいことがしたい!


なぜ毎日こんなにバタバタしているのだろう。

朝・昼・晩。仕事に家庭にとにかく、バタバタした毎日。
1日が36時間欲しいね、そんなことを同じくワーママの友人と話したばかり。

そんな折、いけばな教室を体験させていただけるというお話があり、正直大変に心が踊った。
子供に習い事はさせてもまだまだ自分の習い事まで手が回っていない現実。憧れの習い事を始めたい気持ちが日に日に募っていたからだ。


人生初のいけばなに挑戦!

今回は仕事終わり、華金に賑わう渋谷の街で『いけばな小原流熊野教室』にお邪魔し、体験してきた。
仕事とはいえ、アフター6にいけばなとは、大変優雅で贅沢な気分。浮かれている。


本日の講師は華道家でアートディレクターの花狂い・熊野寿哉さん。
日本橋三越、新宿伊勢丹等で講義及びセミナー講師として指導にあたる他、作家としても各地に出向き精力的に活動されている。

今回は『たてるかたち』という基本の型に挑戦させていただけるとのこと。

(『たてるかたち』は主枝、客枝、中間枝で構成された基本の型。)

「型というと難しいイメージを持つ方もいらっしゃいますが、むしろ型は簡単にかっこよくいけるためのものなんです。」(熊野さん)

なるほど、きちんと踏襲すれば、誰でもかっこよくキメルことができる。それが型ということのようだ。

今回使用する道具がこちら。ひし形の器、剣山、滑り止め、ハサミ、雑巾、水差し、そして花材。


花材はシャクヤク3本とジンジャー2本。
シャクヤクは上にまっすぐと伸びやかな茎で鮮やかなピンクが美しく、ジンジャーはスピンしながら伸びたような、独特な茎の形だ。

花材をただ見ていても、これからどんな風になるのかこの時点では全く想像がつかない。


レッスンスタート!

「では始めましょう。まず、1本目は『主枝』をいけます。
主枝はジンジャーを使います。主役にしたい枝を選んだら、ジンジャーの長さを『(器の幅+器の高さ)×2の長さ以内』になるように切ります。」(熊野さん)

ジンジャーを横に倒し器で計ってみる。ちょうどいい長さのようだ。


「切ったら剣山の1番奥にさします。ですが、何も観察しないでいけてもかっこ良くはなりません。1本1本を大事に、どの向き、どの角度がいいかをよーく観察して、決まったら挿してください。」(熊野さん)

ジンジャーをくるくる、くるくる回して観察する。
ジンジャーはどの角度から見ても個性的だが、存在感を1番かっこよく見せる角度を自分なりに見極めていく。時間をかけて悩みながら、ようやく挿すことができた。


「立ち姿の美しさを意識してまっすぐ挿してください。初めてやる方は根元しか見てないことも多いですが、花材の先と根元をまっすぐにするといい緊張感が生まれます。」(熊野さん)

なるほど。

「次の2本目は客枝、花材はシャクヤクです。シャクヤクは2番目に花が膨らんでいるものを選びましょう。前に45度傾け、剣山の1番手前に挿します。挿したときに、高さが1本目の1/3になるように挿します。」(熊野さん)

てっきり1番花が膨らんだものを使うと思っていたが、どうやらそれはとっておくようだ。


客枝のシャクヤクを慎重に挿し、決まったら、3本目はまたジンジャーを挿していく。

「主枝、客枝が決まったら、そのなんとなく醸し出している緊張感を崩さないように、中間枝を挿します。全体の動きをサポートする(助長する)もう一本というのをジンジャーで添えてあげてください。」(熊野さん)

長さの決まりはあるんでしょうか?

「長さの決まりはないです。
中間枝の役割は主役の二本の美しさをサポートすることですが、ここからは何も決まりはありません。自由です。楽しんでくださいね。」(熊野さん)

自由!自由というと響きはいいが、これがとても悩むのだ。
二本の緊張感を崩さないよう、何度も添えてみてはやめ、添えてみてはやめ、だんだん悩むことが楽しくなってくる。

 

途中、先生から『間』を意識するようにとのアドバイスをいただいた。
そもそもいけばなとは、床の間に飾るもので、床の間に飾られた掛け軸などを引き立てる役割をするもの。
つまり、いけばなだけでなく、一緒に飾られた掛け軸も含めて空間を構成するため、主役の掛け軸が入る『間』を取ることが重要になってくるとのこと。
相手を意識する構成が美の要素として入っているとは、なんとも日本人らしい。

ジンジャーに続けて残ったシャクヤクも挿し、剣山が見えないように葉で根元のボリュームを調整して、完成!

緊張感を崩さないというのは本当に難しく、たった5本のシンプルな構成にも悩みに悩み、スタートから完成するまでにはなんと、1時間かかった。

 


「少ない花材で事を起こすので、一本一本を大事にしないと、崩れちゃうんですよ。」(熊野さん)

緊張感を作り、それを壊さないように自然の美しさを引き立てるように挿していく。
ひとつひとつに神経を注ぐことはとても疲れたが、それはとても心地の良い疲れだったことは言うまでもない。

自然の美しさ、そして自分の感性と丁寧に向き合う時間は、美を作りだす快感を私に教えてくれる貴重な時間となった。

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教室名:いけばな小原流熊野教室
稽古日:金曜日 18:30~ 、日曜日 11:00~15:00
最寄り駅:渋谷駅(徒歩7分)、代官山駅(徒歩9分)
オフィシャルサイト:https://www.hisaya-kumano.com/
お問い合わせ先:https://www.hisaya-kumano.com/contact
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TEXT BY MAI

二児の母。トマトを育ててます。

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