さあ、2019年。お正月に縁起の良い花を飾って新たな年を迎えよう。
正月飾りは華やぎと厳かさを演出し、おめでたい新年の雰囲気を連れてくる。一年のスタートを祝福する、正月にふさわしい縁起の良い花とは?
まずは基本の「松・竹・梅」
日本のおめでたい植物の代表といえば松竹梅。
正月に欠かせない松は、常緑樹で数千年もの樹齢ということから「不老長寿」を意味し、竹は成長が早いことから「長寿」と「生命力」、しなやかさや凛とした佇まいから「強い意志」や「誠実さ」を表す。
梅は、他の花に先駆けて早春に咲くことから春を告げる喜びや、「立身出世」「開運」の意味を持つ。また寒さの中でも清らかな芳香を放つことから、縁起が良い花とされている。
赤い実がたわわに実る「千両・万両・南天」
千両・万両は、たくさん実をつけることから「富」や「福」を表す。また、南天は「難を転じて福となす」という意味がある。
3種ともボリューム感のある赤い実が正月飾りに彩りを添え、厳かさにインパクトをもたらすので松と組み合わせられることが多い。
アレンジの中に取り入れるのはもちろん、葉のついた一房だけを短く切って漆塗りの枡や白いカップに飾ってみるだけで正月の雰囲気を醸し出す。
菊・葉牡丹・水仙・椿
菊は仏花のイメージがあるかもしれないが、天皇家の紋章にも使われているように、古来より高貴な花とされていておめでたい時にもふさわしい花だ。
最近人気の「マム」と呼ばれる西洋菊は、正月飾りにピッタリ。特に丸く可愛らしいピンポンマムは、ピンクや黄緑などの鮮やかな発色が従来の単調な色の組み合わせに華やぎを与えてくれる。
葉牡丹は紅白でめでたい植物として正月近くになると出回る。インパクトのある姿にアレンジは難しいと思いがちだが、小ぶりなものなら他の花と生けると低い位置のポイントとして使いやすい。
白い水仙はうぬぼれという花言葉から転じて「初心忘るべからず」という意味に使われることも多く、良い香りはフレグランスとしての役割も果たしてくれる。
椿は榊(さかき)と同様、年中緑色で枯れることがないことから繁栄を表し、赤や白の花弁と黄色のおしべが美しく、正月の雰囲気によく似合う。
胡蝶蘭・結び柳など
そのほか広くお祝いやはじまりのときに使われるのが胡蝶蘭や結び柳で、正月にも縁起物としてふさわしい。
胡蝶蘭は開店祝いなどにもよく用いられる花で、一輪を松とともにシンプルに飾るのも素敵だし、大きなアレンジの所々に散りばめればゴージャス感を出せる花だ。
また、柳の枝を途中で結ぶ「結び柳」も縁起物で、正月や初釜のときに使われる。結んで作った大きな輪は「一陽来復(いちようらいふく。物事が好転するの意)」「輪=和」「円満」などの意味がある。
金や銀に塗ってある柳の枝は、単体で大きな床置きの花瓶などに飾っても様になる。
正月飾りの花は、飾るだけで一気に正月の華やいだ雰囲気や厳かさを演出でき、年の始まりを彩る。
空間や場所、出したい雰囲気によって花を選び、新しい年の始まりにふさわしい花で正月を迎えてみてはいかが?